【番外編】DeNAの事件から見えるインターネットの限界

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インターネットの限界

今週のショッキングなニュースの1つに、DeNAが運営しているWELQなど全10サイトが非公開になったことがあります。

正直なところ、私自身もこのWELQ(その他9つ)というサイトは利用していなかったので、ピンと来ませんでした。

 


ちょっとこのサイトをご説明します。

昨今、「キュレーション」という言葉が脚光を浴びています。

Curationとは、「人力で情報を収集、整理、要約、公開(共有)すること。」です。

芸術関係に興味のある方だと、「キュレーター(Curator)」という単語に聞き覚えがあるかもしれません。

博物館(美術館含む)、図書館、公文書館のような資料蓄積型文化施設において、施設の収集する資料に関する鑑定や研究を行い、 学術的専門知識をもって業務の管理監督を行う専門職、管理職を指します。


そこから転じて、ITの世界で記事を収集・要約・整理して、ジャンル毎に情報公開し、広告費などを稼ぐビジネスモデルが、出来上がっているのです。

 

IT先進国のアメリカでは、キュレーションサイトの方が昔からある新聞社よりも読者数が多かったりもするほど、ここ数年話題のメディアなのです。

BuzzFeedなどは有名で、日本版もスタートしていますね。

 

DeNAのキュレーションサイトの問題とは?

さて、今回問題となったのは、DeNAのキュレーションサイトが「検索結果上位をニセの医療情報などで埋め尽くして金儲け」、「ニセ医療情報を信じて健康被害が多発」という事態を引き起こしてしまったことなのです。

元々、その道のスペシャリストを集めて運営しているのですが、どこかで目的を間違ったのか、ひたすらアクセス数を追うようになり、本来の社会貢献という意識が無くなってしまったようなのです。

ここで注目したいのは、「検索結果上位をニセ医療情報などで・・・」の部分です。

どうやって、検索結果の上位を自分達の記事で埋めることができたのか? です。

 

私の他の記事でも書いてある通りなのですが、昨今のアルゴリズム(検索エンジン順位決定プログラム)では、記事の量が多いほど評価されやすい傾向があるのです。

その仕組を熟知していた現場の人は、沢山の記事を用意するために、多くのライターに依頼をしました。

それで食べている専門家だけでなく、インターネットを介して自称専門家の人にも多くの記事を依頼したり、キュレーションサイトによっては一般学生をアルバイトで集めてインターネットにある記事を参考に適当な記事を書かせていたのです。

問題点はココで、その記事のチェック機能が無かったそうで、「他のサイトからのコピー」であったり、「科学的な裏付けの無い話」が多数そのままホームページにアップされたのです。

まあ、そもそもそんなに多数の記事をいちいちチェックできるはずもありません。1つサイトだけでも、恐らく1日数百の記事がアップされていたようですから。

って思っていたら、どうやらコピペ文章推奨と思われる社内文書の存在も出てきているところを見ると、完全に確信犯ですね。

(参考サイト)  インターンを集めて「90分に1本のノルマ」、平均時間を記録し「指導」も…

まあ、ベンチャー企業らしいと言えばそれまでですが(苦笑)

 


 外部の人達から、「私の記事が勝手にコピーされている」とか、「●●という記事、デタラメでしょ!?」という指摘が多数あり、判明したのです。

通常のサイトであれば、1つのエンターテイメントとして割り切ることもできるでしょうが、医療関係となるとそうはいきません。

しかも、DeNAと言えば、野球球団も持っている一部上場企業なのですから!

 

今回のような問題が起きた理由

今回の件について、正直私はさほど驚きはありません。

利益先行になると、どうしてもこういうカタチになってしまいがちなのだなと。

歴史ある大手企業であれば、信用重視の土壌が社内にあるため、こういったことは起きづらいと思いますが、 売上至上主義のベンチャー企業の社内では、嫌がるどころか嬉々として取り組んでいる社員がいるだろうことは想像に難くないですね(苦笑)

 

今回の医療系サイトの話を読んでいくと、「当初はその分野の専門家の方に、執筆をお願いしていた」そうなのです。

特に医療系などは、1つ1つの記事にかなり気を遣う必要がありますから。

そうすると、逆に記事数を短期間に大きく増やすことが難しいとも言えます。

記事数が少ないと、検索結果で上位表示されにくいことにも繋がり、アクセス数が伸びづらいのです。

 

やはりそうだったようで、「当初予定したよりも、月間のアクセスが少なく・・・」ということで行き詰まっていたことが分かります。

 

中身のあるコンテンツがSEOでは評価されるというのは、幻想である

私が思う、医療系のサイトがいま1つ伸び悩んだ理由は、「話が専門的すぎた」ことでしょうか。

実は私も昔、ある分野における専門的なサイトを作り上げた経験があるのですが、専門性の高い真面目なサイトほど、アクセス数を伸ばすのが難しいのです。(コンピュータ関係の操作方法を紹介したサイトは除く)

専門性が高くなるほど、記事の量産が難しくなりますし。

 

世の中では、

「中身のある、充実したコンテンツは評価される!」

とまことしやかに語られ、信じられていますが、それは建前でしょう。

Googleも「中身のあるコンテンツを評価する!」と発表していますが、今回の事件が良い例です。

中身なんか見えていないのです。

まあ、人間ですら、記事の良し悪しは判断が分かれるのに、機械が分かるはずもないのですが。

機械による判断基準は、別のところ(ページ数やリンク数など)にあるのが実情です。

研究としては、記事や音楽などの分野において、人の趣味嗜好を判断すべく多くの人がチャレンジしているようですが、まだまだ時間が掛かるでしょうね。

 

アメリカで有名な「BuzzFeed」というキュレーションメディアも、最初は芸能人ネタ、ペットの写真で多くのアクセス数を稼いでいたのです。

そうして次第にアクセス数が安定して、広告料も増えてきてから、まともな記事を増やすべく昔ながらの新聞社から多くの記者を引き抜いて、 政治経済の話も多く取り上げ、ようやく評価されるようになったのです。

 

今回の事件で学べること

話を歯科医院のホームページに。

上記の通り、良質な文章を書いても評価されないことが多いものなのです。

Google(検索エンジン)に評価されないということは、多くの人の目にも触れないことを意味します。

 

では、歯科医院のホームページを多くの人に見てもらうとすると、SEOによる「外部対策」か「コンテンツ量を増やす」ということが現実的な選択肢になってくるのです。


「コンテンツ量を増やす」と言っても、執筆を専業でやっている訳ではなく、診療の傍ら時間を見つけて書かれているはずですから、専門的な記事の量産は難しいでしょう。

それよりは、スタッフの方の「ブログ」なども入れながら、質より量を重視した方がトータルでは良い結果(集客・集患)に繋がると思います。

まあ、書き慣れてくると「質」があとから付いてくるというのもありますから、気楽に書いてください!

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